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溺れる恋は藁をも掴む
第14章 二十歳の恋
靄のかかったような不安な気持ちを、
セックスをする事により安心感に変えようとした。
暫く、私の上で上下していた誠治さんの動きが急に止まった。
私の中で堅く動いていたものが、
まるで風船が萎んでしまったかのように、
柔らかくなっていった。
「ごめんね‥‥‥
飲み過ぎたかな?
それとも緊張してるのかな?
疲れているのかな?
イケない‥‥‥本当にごめん」
私は下でその報告を受けた。
「私の‥‥身体じゃ‥‥ダメですか‥‥」
力なく言う。
「あっ、そんなんじゃないよ。
昨日の残業の疲れだよ。
それと、強くもないのに勢いで飲んじゃたから」
「本当ですか?」
「本当だよ。
悪いのは俺の体調だよ。
ごめんね」
男の人はそんな日もあると聞いた事がある。
そんな時に女に責められたら、
嫌気がさすとも。
『私の身体じゃイケないの?』
なんて言ったら、
余計に負担に思うだろう‥‥
「気にしないで下さい」
そう言うのが精一杯。
「ごめんね」
そう言って、
あなたは私の身体から離れた。
さっきまでの体温が、
急に冷えてゆく。
重い空気に包まれて、
その日は沈黙になりがちになり、
一緒に居るのが切なくもなって、帰り支度をして部屋を後にした。
イケなかったあなたを責めたりしない。
でも‥‥
寂しい。
余韻に浸る暇もなく、
裸の私はまた置いてけぼりだった。
そんな時に掛ける言葉は見つからない。
「ごめんね」を繰り返すあなたの言葉が、
今も耳に残る。
こういう時は『ごめんね』なんだと。
泣きそうになりながらも、
あなたに嫌われたくない私は、
唇を噛み締めた。
あなたが居ないところまで、
涙は隠した。
セックスをする事により安心感に変えようとした。
暫く、私の上で上下していた誠治さんの動きが急に止まった。
私の中で堅く動いていたものが、
まるで風船が萎んでしまったかのように、
柔らかくなっていった。
「ごめんね‥‥‥
飲み過ぎたかな?
それとも緊張してるのかな?
疲れているのかな?
イケない‥‥‥本当にごめん」
私は下でその報告を受けた。
「私の‥‥身体じゃ‥‥ダメですか‥‥」
力なく言う。
「あっ、そんなんじゃないよ。
昨日の残業の疲れだよ。
それと、強くもないのに勢いで飲んじゃたから」
「本当ですか?」
「本当だよ。
悪いのは俺の体調だよ。
ごめんね」
男の人はそんな日もあると聞いた事がある。
そんな時に女に責められたら、
嫌気がさすとも。
『私の身体じゃイケないの?』
なんて言ったら、
余計に負担に思うだろう‥‥
「気にしないで下さい」
そう言うのが精一杯。
「ごめんね」
そう言って、
あなたは私の身体から離れた。
さっきまでの体温が、
急に冷えてゆく。
重い空気に包まれて、
その日は沈黙になりがちになり、
一緒に居るのが切なくもなって、帰り支度をして部屋を後にした。
イケなかったあなたを責めたりしない。
でも‥‥
寂しい。
余韻に浸る暇もなく、
裸の私はまた置いてけぼりだった。
そんな時に掛ける言葉は見つからない。
「ごめんね」を繰り返すあなたの言葉が、
今も耳に残る。
こういう時は『ごめんね』なんだと。
泣きそうになりながらも、
あなたに嫌われたくない私は、
唇を噛み締めた。
あなたが居ないところまで、
涙は隠した。