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溺れる恋は藁をも掴む
第16章 陽だまり
言葉に困った俺を察して、
莉緒はまた話し出す。

「晶はさ、
何だか悲しい顔で笑うよね。
深いものを心に隠して、
わざと笑顔に変えようとする。
私で楽になるなら聞いてあげる。
楽にしてあげる」

俺は莉緒に抱かれて、
肌の温もりを感じながら、
弱っていた心を曝け出した。


最初に、子供の頃の最悪な家庭環境から話した。

高校の時に親父が亡くなって、
ホッとしてしまった反面、
これから先の事が不安になった。

不安になった矢先に、
親父がこっそり掛けていた保険のお陰で、
家のローンも家族が路頭に迷うことないくらいの金が入った。

不安が安心に変わった。

葬儀には沢山の人が集まって、
親父の死を哀しみ、偲んでた。

人間ってさ、最期の最期にその人の生き様ってもんが分かるもんなんだな。

どうしょうもないって思っていた人間は、
信頼が厚くて、
沢山の人に慕われる男だった。

不器用な反面、
いざという時の事は、ちゃんと考えてた。

ずっと恨んできた気持ちを覆された。
ここまで厳禁になれる自分を醜いって思った。
自分が自分で分からなくなってしまった。


そんな時に現れた百合。
百合が居たから俺は立ち直る事が出来たんだ。


莉緒は俺を優しく抱いて、
その話を、時折頷きながら、
ずっと聞いていた。
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