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治してあげます
第5章 タブー



「ああ…」


心底からつくため息は重かった。


「…学さん」

「…耐えられなかった」

「え?」


なんのことに耐えられなかったのか、わからなかった。


「少しだけ…ほんの少しだけ、煽ったつもりだったのに…」

「だったのに?」

「緑に、奪われるのが嫌だった」


ドクッ…。


いつもより早い鼓動は、私だけじゃない気がする。



抱きしめられていると感じる温かみ。


心地よかった。

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