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治してあげます
第6章 退院
身を引いてしまった。
恐怖がまた襲ってくる。
「この前はごめんね。もう、なにもしないよ」
「あ…すみません」
気まずい雰囲気を私は作り出してしまった。だけど、気にしないのが唯一、彼のいいところなのかも知れない。
近づいて、ベッドの縁に座る。
「…俺が宮崎ちゃんの専門医師になってたら…」
私の方に見せた大きな背中。
悲しげな、なんとも言えない切なさを感じてしまって、不意に背中をぽんぽんと優しく叩いた。
「ほら、そうやって優しくするのが宮崎ちゃんダメなんだよ」
「え…?」
私の方に身体を向きなおし、じっと見られる。