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治してあげます
第6章 退院
「退院とかの話されてない?」
「看護師さんに言われましたけど…、まだ無理はしないで…と」
「え、学からは?」
新道先生は、人の心を読めるんだろうか。
気にしていること、全て突いてくる。
「…今日はまだ来ていません。なので…」
「へぇ…忙しいね。俺にもその忙しさ欲しいくらいだな」
意外な一言だった。そして、皮肉にも聞こえてこなかった。
不思議だ。
「お忙しくないんですか?」
「あいつに比べたら、そんなことないよ」
ドアの近くにいた先生は、そう言って私に近づいてきた。