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治してあげます
第7章 エピローグ

「僕も、結構緊張するもんだよ」
「意外…」
「なにそれ!」
…顔を見合わせて、笑った。
傷だらけの私を、助けてくれたのは学。
そんなに軽く、「治してあげますから」なんて言えるもんだなって思っていた。
だけど、先生はひとつひとつに力を注いでくれた。
だから、私だけのものじゃないかって勘違いしてしまったの。
嫉妬で、辛かった時も、結局は私を愛し尽くしてくれる。
今は、もう別の病院に移ってしまったから、あの病院の特別ルールに縛られることはない。
ちゃんと、向き合って「好きだ」って伝える。
「学」
「なに?」
「今までありがとう」
ちょっとだけキョトンとしたが、
「どういたしまして」
言い返してくれた。

