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治してあげます
第11章 番外編:美雪side 3

「もーいっぱいくださいっ」
「美雪チャン、今日はよく飲むね~」
「いいの!おじちゃん、はやく!」
仮病で早退してから何時間たっただろうか。
あたしは、新菜と一緒に行っていた長年の行きつけの居酒屋にいた。
正直、一人で来たのははじめて。
二人でいつも恋バナしてたり、仕事の話だったり…いろんな話をここでしてきた。しかし、今は新菜と一緒に飲むことも直接話すこともできない。
こんな荒んだ心じゃ、誰とも話せないし。
「はーい、生5杯目ぇー」
いい声で言うおじちゃん。
いつもだったら恥ずかしいところだけど、今はもうどうだっていい。
失恋してないけど、失恋したもんだ。
「美雪チャン、顔が寝てるけど…」
「ねてられましぇんよぉ…」
んふふ。
酔いが回ってきた。
これからが楽しいんだよっ…!
そう思っていたのに。
「…山城さん、じゃん!」
「へ?」

