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治してあげます
第11章 番外編:美雪side 3

「宮崎ちゃん、って呼んでみたり、綺麗だとか言ってみたり…好きだって言って赤面した顔も、脈ありかなって思ったのに」
「…」
「…そういう態度取るからさ。さっきのキスはそれだよ」
キスを思い出しただけで赤面してしまう。
顔がいつも以上に熱い。
「だって…ずっと失恋してるって思って」
「違う。俺も…想ってた」
「本当に…?」
「あ、泣くのはだめだって言ったのに」
ぼろぼろ。
あの時の失恋したと思ってた夜のように溢れ出した涙。
「…好き」
「…俺も」
そう言って、居酒屋を出て行った。
おじちゃんがどんな顔してたかわかんないけど…とにかく優しい声だった。
「ねぇ…美雪って呼んでいい?」
「うん…じゃあ、あたしも緑って呼ぶ」
ぎゅっと繋いだ指先が絡め合って、嬉しさが高まっていく。
「今日、俺の家に泊まろっか」
「…!!!」
無言で想像してしまうあたしはどんだけ変態でしょうか。

