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近づきたい
第10章 二人の日
「オレにはわかるよ…オレも同じだよ。」

えっ?驚いてよし先輩の顔を見ると切なそうな目をしていた。さっき感じた冷たい目はどこに行ったのだろう…

「オレ達、再会してからすぐに付き合うことにしてだろ?しかも、すぐに遠距離だ…頑張って時間を取ろうと思ってもすれ違いばかりだったしな。」

うん、うん。と言葉なく頷く。よし先輩の手はわたしの頭を撫で続けて、時より髪を愛しそうに触る。

「オレ、瑞穂が他の男といて嫉妬したよ。オレが一緒にいたいのに、側にいられない。」

私も一緒だよ…私も側にいたいのに…

「瑞穂、、、オレを大人だと思ってるだろ?」

「えっ?」

「確かに瑞穂より10も年上だけど、そんなの関係ないんだ。オレ、仕事のことも瑞穂のこともいっぱいいっぱいなんだ。」

私、ずっと大人のよし先輩に近づきたいと思ってた。背伸びをしたり、我慢したり、無理ばかりしてたんだよ。

でも、無理してたのはよし先輩もなの?

「私…近づきたかったの…いっぱい頑張った…」

やっと出た言葉。よし先輩がうん。と頷く。

「わかってたんだ。瑞穂がオレのために無理してること…でも、どうにもできなかった。ごめん、、、。」

はぁ。と息を吐いて、また息を吸うよし先輩の目はさっきより切なかった。

「瑞穂…別れようか…。」

呟くように言ったよし先輩の言葉を私は聞こえないふりをした。でも…

「オレが限界なんだ、、、。」
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