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近づきたい
第10章 二人の日
よし先輩の言葉がショックでまた涙が出てきた。そんなに重荷になってたの…?

「瑞穂、勘違いしてるだろ?」

「えっ?」

「重いって言うのは重荷って意味じゃない。瑞穂がオレの中で大きな存在で大事ってこと。」

勘違いを飛びきりの笑顔で声をあげて笑う。
また優しく私の頭を撫でてくれる。

「瑞穂、愛してるよ。まさかこの短期間で瑞穂がオレの中でこんなに大きな存在になるなんて思ってなかった…。」

抱きしめられていた力が更に強くなる。ぎゅ~っと抱きしめられて愛情が素肌を通して、私の中に入ってくる気がした。

幸せ……ただ、そう思えた。

「私、義朗さんと別れたくない…」

「…うん。」

抱きしめられながら、おでこにキスをしてくれる。

「…でも、ダメなんでしょ?」

「うん。」

おでこにあったはずの唇が頬や耳へ移動してキスを繰り返す。

「今はただお互いつらい想いをするだけだから、このまま付き合うのはやめよう。」

「……うん。」

よし先輩の優しいキスを顔中に受けながら、頷く。

そのまま、涙を流した。泣き過ぎた私は目を閉じた瞬間に眠りについてしまったみたい。

よし先輩に抱きしめられながら…幸せな温もりが私を包んでくれた。

遠い意識の中で雨の音とよし先輩の優しい声が聞こえていた。
よし先輩…なんて言ってくれてるの?
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