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近づきたい
第11章 それぞれの日
3年前の夏、オレは別れを決めて瑞穂と会った。
ところどころで、自分の決心が揺らいで感情をなくした時があった。瑞穂は敏感に感じてたなぁ…

カズさんの店では行く度に瑞穂の話になった。
カズさんはオレが彼女を連れてきたのが嬉しかったと言ってたけど、瑞穂はカズさんのタイプど真ん中だったから。

会社の同僚と行った時は後輩の女の子がいるだけでイヤな顔をした。
瑞穂と最後に行った時は余計な話してくれたもんな。

もう3年も前なのに、瑞穂と過ごした日のことは何一つ忘れていない。携帯には二人で撮った写真を大事にしてるよ。

別れ話をした夜、瑞穂を抱きしめながら寝た…
オレが『いつか迎えにいってもいいか?』と言った言葉は瑞穂に届いてない。

あのピアスの意味もきっと気づいてないだろう…
再会した3月、出会って別れた8月の誕生石のアクアマリンとペリドットを選んだ。オレ達の大事な月だろ。

ピアスの約束だったけど、指輪のような形を見つけて、これだ!と思った。

瑞穂、本当にプロポーズしたいくらい愛してたんだ。

でも、そんなことをしたら、瑞穂の大事な機会や時間を奪ってしまう。夢を大切にしてほしかったんだ。

あれから3年…オレはもう32になったよ。瑞穂、元気にしてるかい?幸せかい?

オレは今も瑞穂を愛しているよ。今なら素直に言える気がするよ。
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