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近づきたい
第2章 春の日
「…イヤならいいんだけど、今度メシでも行かない?」
家までもうすぐのところで、よし先輩が食事に誘ってくれた。行きたいけど…一緒に食事なんてしたら、死んでしまうかも。でも、断りたくもない…
「瑞穂ちゃん、来月にはここからいなくなるんだろ?その前にさ!大学の進学祝っていうのはどう?」
すごく嬉しい…でも、来月にはこの街を出る。またよし先輩と会えなくなる現実に引き戻された…
「イヤならいいんだ。こんなおじさんと食事もイヤだよな。」
頭を大きく横に振る。そして、やっと言葉が出た。
「…よし先輩と食事に行きたい。先輩はおじさんなんかじゃないよ。」
「じゃあ、今度の土曜にイタリアンランチはどう?」
私に向かって向けられる笑顔…やっぱり私、よし先輩の笑顔好きだな。また会いたい…
再びつらい涙を流す日々が待っていても、私はまたよし先輩と会いたい…
「うん、大丈夫。…イタリアン大好き。」
「良かったぁ。じゃあ、土曜日11時くらいに迎えに行くよ。」
嬉しそうな先輩の声。自分で発した『大好き』の言葉。先輩に言ったわけじゃないのに、超ドキドキした!
「もし急にダメになったら、連絡して。」
家の少し手前で止まったよし先輩の車。渡してくれたのは携帯の番号とアドレスを走り書きした名刺。
「ありがとうございます。」
初めてもらった名刺…やっぱり大人の人なんだ。
走り書きでも綺麗な字に少し見とれる。
「送ってくれて、ありがとうございました。」
「いえいえ。」
ニコッと笑った顔を見て、車を降りて頭を深々と下げた時、頭に暖かい感触があった。
車から伸びた大きな手でポンポンと頭を優しく叩かれた。
「じゃあ、また土曜日に。おやすみ」
ビックリして、なかなかあげれなかった顔をやっと先輩に向けると、笑顔で手を挙げて車を発進させた。
家までもうすぐのところで、よし先輩が食事に誘ってくれた。行きたいけど…一緒に食事なんてしたら、死んでしまうかも。でも、断りたくもない…
「瑞穂ちゃん、来月にはここからいなくなるんだろ?その前にさ!大学の進学祝っていうのはどう?」
すごく嬉しい…でも、来月にはこの街を出る。またよし先輩と会えなくなる現実に引き戻された…
「イヤならいいんだ。こんなおじさんと食事もイヤだよな。」
頭を大きく横に振る。そして、やっと言葉が出た。
「…よし先輩と食事に行きたい。先輩はおじさんなんかじゃないよ。」
「じゃあ、今度の土曜にイタリアンランチはどう?」
私に向かって向けられる笑顔…やっぱり私、よし先輩の笑顔好きだな。また会いたい…
再びつらい涙を流す日々が待っていても、私はまたよし先輩と会いたい…
「うん、大丈夫。…イタリアン大好き。」
「良かったぁ。じゃあ、土曜日11時くらいに迎えに行くよ。」
嬉しそうな先輩の声。自分で発した『大好き』の言葉。先輩に言ったわけじゃないのに、超ドキドキした!
「もし急にダメになったら、連絡して。」
家の少し手前で止まったよし先輩の車。渡してくれたのは携帯の番号とアドレスを走り書きした名刺。
「ありがとうございます。」
初めてもらった名刺…やっぱり大人の人なんだ。
走り書きでも綺麗な字に少し見とれる。
「送ってくれて、ありがとうございました。」
「いえいえ。」
ニコッと笑った顔を見て、車を降りて頭を深々と下げた時、頭に暖かい感触があった。
車から伸びた大きな手でポンポンと頭を優しく叩かれた。
「じゃあ、また土曜日に。おやすみ」
ビックリして、なかなかあげれなかった顔をやっと先輩に向けると、笑顔で手を挙げて車を発進させた。