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近づきたい
第2章 春の日
「瑞穂ちゃんの家はユウちゃんの家の近くなの?
そういえば、ユウちゃん元気?」

車を走らせながら、よし先輩が話してる。

私は好きな人の運転する助手席にずっと憧れていた。今、その場所にいる…幸せ。

「うん、近いよ。でも、ユウはお父さんの転勤で引越しちゃったから、もう全然会ってないんだ。たまにメールするけど、元気そうだよ。」

「そっか。オレ、就職してから忙しくて、友達ともなかなか会えてないからな。」

よし先輩が仕事の話をしてくれている。そういえば、図書館で私と会ってお茶しちゃったけど、大丈夫だったのかな?

「ねぇ、よし先輩、お仕事大丈夫だったの?」

「あっ、うん。今日は直帰でいいと言われてたからね。大丈夫だよ。家帰ってから、また仕事だけどね~」

仕事ばかりで参るよな~って笑うけど…私は青ざめてしまう。

「ごめんなさい。本当は仕事あったんでしょ…」

また私、泣きそうになってる…本格的に涙腺壊れたかも…

「大丈夫だって!瑞穂ちゃんと会えて嬉しかったんだから。……もう泣くなよ…。」

泣いたら、よし先輩に迷惑かける。涙、止まって!

「本当、ごめんなさい。私もよし先輩に会えて嬉しかったよ。」

笑顔で話そうと、先輩に明るい声でニッコリした。

「うん、瑞穂ちゃんは笑ってる顔がやっぱり可愛い!」

そう言って、私に笑顔を向けるよし先輩の顔はやっぱりカッコイイ。
運転してる横顔もステキ…明るい時に見たかったな…
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