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近づきたい
第3章 想いの日
「…よし先輩に私、不釣り合いですよね。…子供過ぎるよね」

店員さんがいなくなってから、たまらずよし先輩に話かける。

ビックリした顔で私を見つめるよし先輩の顔はだんだん困った顔になった。

やっぱり今日のランチ断れば良かった…

膝にかけた紙ナフキンを握りしめる。

「…瑞穂ちゃん、不釣り合いなのはオレの方だよ。さっきだって、オレにはもったいないって言ってただろ?」

よし先輩が、今まで見せたことない切ない顔で下を向いてる…

「図書館で会ってから、オレなんかおかしいんだ…瑞穂ちゃんと少しでも話したくて、お茶誘ったり、食事誘ったり…」

背の高い先輩がずっと下を向いて、小さく見える。

「…瑞穂ちゃん、本当に妹にしたいくらい可愛かったから、どこかでずっと覚えてたんだ。」

よし先輩が信じられない話をしている…もう言葉が出ない。この前から壊れかけていた涙腺がまたヤバイ。

「そんな瑞穂ちゃんが綺麗になってオレの前に現れたから。来月にはいなくなるっていうし…オレ、また話したいと思ったんだ。」

よし先輩がそっと私の方に伸ばした手を引き戻す…

「…もう泣かないで。店出ようか…」

まだ食後のデザートと飲み物が来てなかった。それでも、よし先輩は店員さんに会計を頼んでいる。

私が泣き出してしまったから…私の夢の時間だったよし先輩とのランチが終わってしまった…

他の人に気づかれる前に涙をそっと拭いた。

「うちのティラミス絶品なんだ。今度は是非食べてね♪俺の愛情、いつも以上に入れておくから」

お店を出る時、さっきの店員さんにちょっとおちゃめにウインクしながら言われた。

ペコリと頭を下げたけど…もうこのお店には来れない…
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