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近づきたい
第3章 想いの日
無言のまま、よし先輩の車の助手席に乗り込んだ。

お店に来るまでの間、運転席のよし先輩の横顔を見ていて幸せだったな…

笑った顔、やっぱりステキだったな…

また一緒に食事出来て、嬉しかったな…

泣いてしまって、ごめんなさい…

私、よし先輩が好きです…

こんな私がよし先輩を好きでごめんなさい…

私の初恋、これでさよならだね…

心の中でいろんなことを考えていた。ふと気づくと、車に乗ったまま発進していなかった。

「よし先輩、食事途中になってごめんなさい。泣いてしまって、ごめんなさい。」

やっとの思いで出た言葉に、よし先輩が切ない顔をして私を見る。

「オレ、瑞穂ちゃんを泣かせてばかりだな…やっぱり迷惑だっただろ」

視線を下に落としたまま言ったよし先輩に胸が痛かった…

…よし先輩、勘違いしてるんだ。私が嫌で泣いたと思ってる。違うのに、違うのに…言葉にならない。

私、先輩と10歳も違うから…

あの時、12歳だった私にはどうにも出来なくて、苦しくて苦しくて…

再会してからも大人の先輩に全然不釣り合いで…

また好きで好きで仕方なくなってるのに何も言えなくて…

近づきたいのに、やっぱり近づけないから…

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