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近づきたい
第5章 もっとはじまりの日
よし先輩の家に二人で入る…ドアを開けると広めのワンルームだった。

よし先輩、一人暮らしなんだね。知らなかった。
私、今のよし先輩のこと何も知らない…
ううん、私は6年前からよし先輩の何一つ知らないのかもしれない。

近づきたいのに、やっぱり全然近づけない…

「もうこんな時間なんだな。」

外はもう真っ暗だった。よし先輩がカーテンを閉める音にビクッと反応してしまった…

よく考えたら、私、一人暮らしの男の人の家初めてなんだ。

「その辺に適当に座って。お茶でも持ってくるよ。」

ローテーブルの横を指差して、よし先輩はキッチンに飲み物を取りに行く。

よし先輩がアイスティーのペットボトルを持ってきてくれた。

「これしかなかったんだけど、大丈夫?」

ペットボトルを私に渡しながら、よし先輩はすでにアイスティーに口をつけていた。

下から飲み物を飲むよし先輩を見上げて、自然に喉仏に目が行く…

部屋に来てから緊張していたはずなのに、車でのキスを思い出して、先輩に触れたい想いが再燃する。

「一人暮らしだから、何もないんだ…」

よし先輩がローテーブルを挟んで、私の向かいに座る。

何も言わないよし先輩と二人で静かな時間が過ぎる。

よし先輩は何を考えてるの?
私と同じこと考えてくれてる?

私のこと、抱いてくれる…?
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