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近づきたい
第6章 想いが重なる日
「…もう少しで離ればなれになっちゃうけど、オレと付き合ってくれないか?」

あと少しで私はこの街を離れるんだ。もうやめることはできない…
付き合っても遠距離になっちゃうんだ…

でも、やっと近づけた…やっと私の想いが届いたこの状況を手離したくはない。

よし先輩の目を見つめて、コクンと頷いた。

ニッコリ笑ったよし先輩を見て、私も笑顔になる。

「オレ、仕事忙しいし、遠距離もしたことないけど…瑞穂ちゃんのことはちゃんと考えたいんだ。
順番とかメチャクチャでゴメン。」

うん、うん。と精一杯頷く…

「もう泣かないで…ね。オレね、瑞穂ちゃんが笑った顔が好きなんだ。」

また、うん、うん。と頷き、笑顔のまま頬を流れる涙を拭いた。

「わ、わたし、がんばるね。」

よし先輩に頭を撫でてもらいながら、やっと声が出た。

私、よし先輩の彼女になれるんだ。頑張らなくちゃ…よし先輩に近づきたいから、頑張らなくちゃ。

「瑞穂ちゃんは今のままでいいんだよ。頑張るのはオレの方…。」

ちょっと不安そうに呟くよし先輩が意外で、ずっと大人の人だったよし先輩が私と同じなのかな?って、顔を覗き込みながら、ちょっと思った。

「ふっ、瑞穂ちゃん可愛い。」

私がいろいろ考えてるのに、よし先輩は笑いながら、またキスをしてくれた。

ちょっと真面目に考えてたのに…やっぱりよし先輩に近づくのは難しい。
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