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近づきたい
第8章 すれ違いの日
遠距離恋愛を初めて、私とよし先輩は電話やメールでお互いの存在を確認するしかなかった。

甘えて欲しい。ワガママを言って欲しい。と言われてから、ちょっとずつ我慢をやめた。

ただ会えない分の不安は会えない時間分だけ増していた。

そして、それは7月…七夕を間近に控えた日に起こった。

付き合い初めて、年度末、年度初めと仕事が忙しかったよし先輩。大学に入学して、多少バタバタしていたものの、まだ時間のあった私。

社会人と大学生…時間のすれ違いは仕方ないと思っていた。それでも寝る前や休みの日は電話で話したりしていた。

それが6月に入ると、私の大学の講義が本格的に始まり、レポートやディスカッション、ゼミ、アルバイトと忙しくなった。

その頃のよし先輩は新人さんの指導も落ち着いたらしく、比較的時間に余裕があるようだった。

そんなある日、私は大学の友人達と遅くまでディスカッションを行い、そのまま晩ご飯へ出かけた。

成人している人もいて、飲める人はアルコールを飲み、賑やかな会になっていた。

最初は大勢の集まりも苦手だったし、男の人がいると避けていたけど、慣れも出て、楽しく過ごせるようになった。

そんな食事の最中によし先輩からの電話が鳴る…

もう21時過ぎてる。よし先輩帰ってきたのかな。
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