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近づきたい
第8章 すれ違いの日
よし先輩もビックリしたような声で聞いてくる…

「怒ってなんかないよ…」

そう答えるけど、誰が聞いても怒っているような口調のままだった。

「瑞穂、どうしたんだよ…。」

戸惑ったようなよし先輩の声が今は受け入れられない…私、どうしたんだろう?

「ごめんなさい…なんか自分でもよくわからない。」

「瑞穂、今日はもう電話切ろうか?」

よし先輩の優しい声が胸をザワつかせる。大好きな人の声が…どうして…どうして?

「うん…ごめんなさい。」

「瑞穂、おやすみ。」

よし先輩と電話を切っていろいろ考えるけど、私自身の気持ちがわからない。

自分の中でかけ違えたボタンがあるみたい…よし先輩のこと好きだけど、よし先輩のことを考えると、哀しい気持ちになる。

ちょっと考えよう…どうしてこんな気持ちになるのかわからない。

少し時間を置いた方がいいのかな?という思いより、また私とよし先輩の時間のすれ違いが大きくなった。

夏休み前に試験やレポートが続いて、アルバイトも入れないくらい忙しくなった。

よし先輩もまた仕事が忙しくなったみたい。

それに、よし先輩に時間があっても私に余裕がなかった。

私はまだまだ子供なのかもしれない…

ヤキモチをやいた後どうすればいいのかわからない。
一度持った不安をどう解消すればいいのかわからない。
すれ違って出来てしまったであろう溝の埋め方を知らない…

よし先輩とすれ違ったまま、私は夏休みに入った。
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