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近づきたい
第9章 雨の日
ひんやりした感覚で目が覚めた。

「…瑞穂、無理矢理ごめん。」

よし先輩が私のおでこに冷たいタオルを置いてくれていた。私は体にバスタオルを巻かれて、ベッドに寝かされていた。
よし先輩がお風呂から運んでくれたんだ。

「…ううん。大丈夫。」

起き上がりながら、よし先輩に声をかけるけど、まだちょっとめまいがする。

「まだ寝てた方がいいよ。水、飲む?」

「うん…ありがとう。」

コップにつがれた水を受け取ろうとするけど、手に力が入らない…上手く動かない手を見て、よし先輩がコップを口に運んでくれた。

よし先輩が水を飲ませようとコップを傾けてくれるけど、上手く飲めなかった…

ゴクリと口に入った水を飲む。首筋に流れた水が冷たい…その冷たさで少し火照りが治まる。

「瑞穂、ごめん…。」

まだ少しボーッとした頭でよし先輩の声が耳に届いたのと同時に、首筋を流れた水をよし先輩の舌が舐めた。

「あっ…。」

首筋によし先輩の唇が当たったまま。その唇に感じてしまいそう…

「瑞穂、今日泊まれるの?」

「……うん。」

「少し落ち着いたら、食事に行こう。」

うん。と頷いて、よし先輩の唇の感触を首筋で受け続けた。

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