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大きな瞳に映るのは
第3章 大きな瞳


― 遙 side ―


俺は 一之瀬 遙。
よく名前だけだと女に間違われる。
顔つきも猫みたいだとかかわいい系とか
散々なことを言われ続けてきた。

とんだ災難だ。

なんてまあ、仕方のないこと。
だからそこまで気にはしていない。


そんなことより

さっきから一人の見慣れない女が
ずっとこっちを見ている。

見られるのは慣れっこだ。

でも今、この状況は

いつもと違う、何かが違う。

少しずつ自分の心臓が高鳴るのがわかる。


たいして言葉はまだ交わしていない。
けれど、立ち振る舞いか雰囲気か
何かわからないけど
魅力のある女だ。


さらに自分の心臓が高まる。


見られるのは慣れっこでも
初対面の人間と話すのは
なかなか緊張するもんだ。

たぶんこれが シャイ なんだと思う。


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