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大きな瞳に映るのは
第3章 大きな瞳
『 ねぇ … なに? 』
俺はとりあえず彼女に声をかけた。
そしたら彼女はぱちりと目を見開いた。
大きな瞳。
やっぱり彼女はどこか魅力がある。
我に返ったかのように彼女は
失礼しました、と慌てて扉を閉めた。
なんなんだ一体。
『 ちょっ … は? 』
まだ何も言ってない。
まあ別に用がないなら構わないけど。
それにしてもなんなんだ一体。
ふっ と思わず笑みが零れる。
ギシ …
再びピアノの椅子に腰掛ける。
あぁ、そういえば今日は入学式だっけか。
そんなことすっかり忘れてた。
きっとあの女は入学生だろう。
瞳の裏に
先ほど見た魅力あふれる彼女を思い返す。
口元がほころぶ。
ま、いいか。
気持ちに一区切りさせ
再びピアノを奏でることにした。