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大きな瞳に映るのは
第20章 気持ち

ぐちゃぐちゃになった頭の中
遙と奏によって掻き乱された心
私は整理を付けることが出来ず
翌日から金曜日まで学校を休んだ
さすがに雪や香奈、咲が心配したのか
毎日連絡をしてくれ
なんとか私の心は落ち着いた
奏先輩の件は結局誰にも相談できず
遙の口から出た
『 気にしなくていいから 』
という言葉によって
私は奏先輩と付き合おうと決心した
身体のあちこちに残された遙の痕も
跡形もなかったかのように消え去り
あの日の事が夢だった
そんな言葉で片付けられてしまいそうになっていた
日曜日、気晴らしに一人で街へ出た
特に何がしたいというわけではなく
ただ単に外の空気が吸いたかった
電車を乗り継ぎこの前の月曜日
遙の背中を見送った改札を出る
街の方へ一人スローテンポで歩く
天気は快晴
行き交う人は足早に楽しげで
少しだけ羨ましくなる
すると、偶然か必然か
一人足早に先を急ぐ遙の姿を見つけた
( … あ )
少しだけ胸が高鳴り
と同時に締め付けられるあの感覚
私には気づいていない様子で
まっすぐこちらに向かってくる
私は足を止め
彼から目が離せなくなる
美容室後か、彼の髪は
透明感のあるアッシュグレーになり
右目にかかっていた前髪も
少しだけ短くなっている
可愛らしい顔つきは
変わらないのに
私服で一人で歩く彼の姿は
雰囲気がとても落ち着いていて
大人びて見えた

