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大きな瞳に映るのは
第20章 気持ち

私はその時ハッとした。
自分は一之瀬遙という人間の事を
まだまだ知らない。
私服姿で歩く彼
美容室後であろう髪型
足早に向かうその先
私は休日の彼を知らない。
彼の好きなものだって
『 ラーメン 』と『 音楽 』
という大きな括りのものしか知らない。
学校では人気者で
でもどこかだらしなくて
なのに男女共に信頼をもたれて。
なぜそんな人間なのか。
何を思い言葉を出すのか。
私は知らない。
そして今からどこへ向かうのかも。
きっと今なら彼を知ることが出来る。
そう思った私は
気が付かれないように彼の後を追った。

