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大きな瞳に映るのは
第22章 彼の思考回路

プーッ プーと聞こえる携帯を
耳元から離す。
あまりにも一瞬の出来事で
私の身体は固まったままだった。
『 … 音夢? 』
そう心配そうに声を掛けてきたのは雪だった。
『 どうした? 』
「 … あっ、ううん。なんでもないっ 」
焦りながらもニコリと笑みを返すと
心配そうにしていた雪の表情が少し緩んだ。
頭の中が遙の言葉で満たされつつも
私はいつも通り振る舞い
みんなの居る教室へ戻って行った。
午後の授業も完全に上の空だった。
一体、一之瀬遙という人は
何を考えて私に声をかけてくるのか…
私の知る範囲では
他の人にそういった誘いをしてるわけでもないし
麗先輩と一緒に居るところもよく見かけていた。
だから一層、彼の考えていることが
わからなかった。

