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大きな瞳に映るのは
第24章 秘密



… ― いい匂いがした。


私の大好きな匂い。
暖かく優しい遙の匂い。


うっすらと瞼を開けると
真っ暗な部屋が視界に入る。

ふと時計を見ると4:12を指していた。


あの後ベッドに寝そべったまま
遙の入浴を待っていたら
どうやら寝てしまったらしい。

ふと左側を見ると、すやすやと眠る
遙の姿があった。


その寝顔はとても可愛らしく
思わず頬に口づけを落とす。

軽く髪を撫でその寝顔を見つめる。


するとうっすらと遙が瞼を開けた。

「 あ … ごめん。起こしちゃった? 」

小さく囁くと、遙はニコリと微笑む。
寝ぼけているのか、
力なく私の身体に擦り寄る。

その姿はまるで本物の少年の様で。

胸元に擦り寄る遙の髪を優しく撫で
私も瞼を閉じた。


幸せなこの時間 …

ずっとこの時間が続けばいいのに、と。


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