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大きな瞳に映るのは
第25章 勘
『 ひとつ … 』
小さく呟いたかと思えば、
左手でわたしの右腕をグイと掴んだ。
「 ひゃっ … 」
驚き思わずベッドサイドに腰を落とした。
目線を合わせるように奏がしゃがみ込む。
『 音夢は俺の事好きですか? 』
右腕を掴んだまま顔を寄せる奏
眼は細められ瞳を見て取れない。
「 好き … です。 」
改めて口に出すというのは
とても恥ずかしく
おもわず身体が熱くなる。
と同時に奏と唇が重なる。
チゥ、と軽い口づけの後
唇を離すと奏は言葉を続けた。
『 ふたつ 。あの日、誰にキスマーク、付けられたんですか? 』
そう言いながら、そっと私の首筋を撫でる。
その感触にびくびくと背中が震え
甘い声が漏れる。
『 誰ですか …? 』
再び聞いてくる奏に口を紡ぐ私。
言えない。
絶対に、言ってはいけない。
俯いて時間の経過を待っていると
奏が小さく溜息を吐く。
と同時に私の両腕をグイと掴み
頭上に持ち上げる。
「 えっ…?! 」
何が起こるのか理解できなかった私は
ただただその様子を見届けることしか
できなかった。