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大きな瞳に映るのは
第25章 勘
言われるがまま
着いたのは奏の自宅。
一般的な洋風の作りの一軒家だ。
「 おじゃまします … 」
どうぞ、と奏が先導してくれる。
人の居ないその家はとても静かで
綺麗に掃除がなされている様子で。
自室に案内すると言った
奏の後を着いていく。
玄関からすぐの階段を上がり
真正面の扉を開ける。
整頓された勉強机の脇には
参考書などが並べられた本棚
窓際にはセミダブルほどのベッドがひとつ
モノトーン調で構成されていた。
「 ほー… 」
遙以外の男子の部屋に入ったのは
はじめてだったので
興味津々と辺りを見回す。
『 木下さん。』
ハッと振り返ると
制服のネクタイを緩める奏の姿。
その姿に心臓が跳ねる。
その仕草さえもが
なぜかいやらしくて。
にやりと少し口元を緩めた奏が
目を細め私に近づいた。
「 奏先輩…? 」
じりじりと距離を詰める彼。
思わず後ずさりしてしまう。
『 … 聞きたいことがいくつかあるんですが 』
そう一言呟くと
するりと右手で自分のネクタイを外した。