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大きな瞳に映るのは
第25章 勘
『 … 何してるんですか? 』
真っ直ぐ見つめてくる奏
眼鏡の奥の瞳とぱちっと視線が合う。
言葉を返せないまま俯くと
奏は再び小さく溜息を吐いた。
ドサッ
奏が私をベッドに押し倒し、
私の身体に跨ると、私の顎に手を添える。
『 言えないんですか …? 』
顔を近づけじっと見つめる奏。
なぜか少しだけ寂しそうな瞳で。
両腕を縛られている私は
身動きの取れないまま
彼をじっと見つめた。
すると奏は私の首筋へ顔を埋め
チゥ、と唇をあてがうと
そこへ痕を残した。
「 せっ … んぱい、 」
唇の感触に背筋がぞくっと震える。
唇を離した奏は再び口を開いた。
『 あの日も。ここにありましたよね 』
そう、初めて遙と身体を重ねた日
遙が首筋に痕を残した場所、
まさにそこに、奏は痕を残した。
『 金曜日でしたよね。確か 』
その言葉で記憶が鮮明に蘇る。
美術室で奏からの告白を受けた日の事を。
首筋に残るキスマークを見て
誰ですか。と何度も聞いてきたこと。
そして私が
金曜日につけられたと伝えたことも。