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大きな瞳に映るのは
第25章 勘
『 夏休み前。噂を耳にしたんです 』
少し身体を離し
視線を落としながら話す奏。
『 毎週金曜日、あなたと、一之瀬遙が一緒に居るところを見た生徒が居ると 』
溜息を小さく吐きながら
奏は自分のシャツのボタンを一つずつ外してゆく。
『 俺は何も見ていないので口出しすることは出来ませんが … 』
そう言いながらシャツのボタンをすべて外し
綺麗な胸板が見えた時。
『 あなたは俺の恋人ですよね? 』
グイと顎を掴まれ
顔を奏の方へと向けられる。
奏の瞳は怒り交じりに
寂しさのような感情も見て取れる。
「 奏先輩 … わたしはあなたの恋人で …
『 なのにもかかわらず、男遊びですか? 』
再びグイと顎を持ち上げられる。
口端があがり、まるでニヤリとしているかのよう。
その姿に、体がぞくぞくと震える。
『 悪い子ですね? … まったく 』
呆れ交じりのため息を一つ吐くと
私の顎から手を離し
ブラウスのボタンに手をかける。
『 躾が、必要ですか? 』
ふ、と笑みを零しながら
ブラウスのボタンを外し始めた。