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大きな瞳に映るのは
第1章 入学式
― 入学式当日 ―
( あぁ… 何で本当にこんな私が新入生代表挨拶なんて … )
重い足取りで校長室を後にする。
ついさっき、代表挨拶の最終打ち合わせを終えたところだった。
私がなぜ 『新入生代表』 に選ばれたか
というと
単に受験面接での愛想がよかったから
らしい。
なんだその適当な理由は。
とんだ災難だ。
勉強ができるわけでもない、
運動が得意なわけでもない。
あえていうなら、何事もそつなくこなしてきた方ではあると思う。
でも
高校生活、目立たず平凡に、ただただ
自分の好きなことに没頭する…
そんな夢を描いてきたのに。
とんだ災難だ。
でも頼まれたなら仕方ない。
先生たち オトナ にとって
『 好い生徒 』になるのには慣れっこだ。
そう決心して、
私は入学式会場に足を踏み入れた。