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大きな瞳に映るのは
第1章 入学式
『 続きまして ―… 新入生代表挨拶
新入生代表 、木下 音夢 …― 』
彼女は ハイ と返事をすると
まだ真新しい制服を
ゆらゆらとなびかせながら
壇上に立った。
すらっとした足元
ピンと伸びた背筋
地毛であろう艶のあるミディアムヘア
小柄なわりに
女性らしいラインと声帯を持ち合わせている。
なんて魅力的なんだ …
そう誰もが感じたであろう。
彼女は淡々と代表挨拶を述べると
校章を背に ニコリ と表情を緩め
皆に一礼し壇上を降りた。
これが彼らの春の訪れだった。