この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
大きな瞳に映るのは
第10章 スポーツ科
『 … 木下、何してんの 』
彼らが歩いていく姿を放心状態で眺めていると、後ろから声を掛けられた。
「 あ… 蒼真… 」
振り返るとジャージ姿の蒼真が立っていた。
「 さっき追突事故起こしちゃって… 」
『 … 追突事故? 』
ポケットに両手を突っ込みながら聞き返してくる。
「 そう、あの… あ、名前聞きそびれちゃった 」
『 … どんな奴? 』
「 泣きホクロのさわやか君。 」
蒼真は一瞬眉間に皺を寄せ考えるように私を見た。
『 … 橘か 』
「 たちばな … ? 」
『 ん。 橘 博也 』
「 橘 ひろや … 」
そう言うと蒼真は再び歩き出した。
つられるように私も蒼真の後を追う。
『 まぁ、俺の連れに悪い奴はいないけど… 』
立ち止まって蒼真が振り返る。
『 … スポ科に良いやつは多くないから気を付けろよ 』
眉間に皺を寄せたまま蒼真が言った。