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大きな瞳に映るのは
第12章 男と女
「 ふぅ… ごちそうさまでしたっ 」
空腹時に久しぶりに食べるラーメンの味は、最高だった。
『 何、そんだけで足りんの? 』
遙は麺大盛りを頼んでいた。
大食いの割にスタイルがいい。妬ける。
ズッ …
遙は夢中で食いついていた。
でも食べ方はそこらの男子より綺麗だ。
『 ね、本当にそんだけで足りんの? 』
もぐもぐしながら私の方を見る。
「 これ結構、量、ある …
『 小食系男子ー? 』
ケラケラと笑いながらラーメンをすする。
まったく失礼な奴だ。
私だって生物学上、見た目も中身も女子なのに。
そんなことを思っていると
店に入ってきた男子高校生4人組が遙に声を掛けた。
『 あれ?一之瀬じゃん!久しぶり! 』
『 おっ、健人ー久しぶりだなー 』
どうやら同級生らしい、随分と話が盛り上がっている。
『 なに、彼女? 』
私の方を見てひとりの男子が遙に声を掛ける。
『 違う違う。後輩。』
『 なんだー。結構かわいい子じゃん! 』
私はあえて会話には入らない。
面倒だし。
それより満腹感で眠気がさしてきた。
うとうとしながら、彼らの会話が子守唄へと変わる。
変わらず盛り上がって話を進めているようだ。
そして私は夢の中に堕ちた。