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大きな瞳に映るのは
第12章 男と女
― … 音夢、
おい 、音夢
「 …… ハッ 」
ベシッ
寝起き直後頭を軽く叩かれる
『 おいもう行くぞ、いつまで寝てんの 』
遙がわたしの腕を引っ張る
そうだ、ラーメン屋で寝てしまっていた。
なんという醜態だ …
遙と楽しそうに会話していた彼らの姿ももうなかった。
「 あっ、お会計 … 」
『 … 済ませたから 』
遙はそう私に呟くと、
ごちそうさまでしたー!と店員さんに微笑んで店を出た。
まだ頭の中がふわふわしている。
平日は晩御飯を食べるといつもこうだ。
でもまさか外食でやってしまうなんて…
『 さて!どこ行くよ? 』
「 … へ? 」
てっきり私は晩御飯を食べて解散かと思っていた。
『 え、帰るの? 』
「 あ… でも、時間が… 」
そう呟き時計を見る。
時計の針は21:00を回ったところだった。
『 … 帰る? 』
遙は心なしか寂しそうに私の方を見ている。
こんな機会、めったにない事くらい私にもわかっていた。
「 んぅー… 」
目を閉じて考えてみる。
『 今日金曜だけど。』
遙が意味深のような言葉を発する。
少しドキリとしつつも冷静に考える。
『 じゃあスタジオでも行く? 』
「 … はい? 」
また変なことを言い出した、と心の中でツッコむ。
『 俺 木下音夢の音が聴きたい。』