この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
大きな瞳に映るのは
第12章 男と女
「 おじゃまします … 」
結局遙のペースにのまれ遙の自宅兼スタジオに足を踏み入れる。
きちんと整理整頓がされた部屋。
意外だった。
しかしスタジオらしき空間は見当たらない。
『 こっち 』
遙は手招きをしてもう一つの部屋の扉をあけた。
するとそこには、電子ドラムのセットが一台とグランドピアノが置かれていた。
「 ど… ドラム…? 」
『 ん…? 』
不思議そうに眼をぱちくりさせながら遙が私を見る。
『 あぁ、言ってなかったっけ。本命はコッチ。』
そうドラムセットを指差す。
あぁ、としっくりきた。
この見た目ならバンドマンが似合っている。
ピアノを弾いている姿はギャップが大きすぎる。
『 この部屋、防音だから好きに弾いて 』
「 あえっ、いきなり?! 」
いきなり遙がピアノ椅子を引き座る様に指差しする。
『 嫌なら、俺、風呂入ってくるけど 』
「 ふ、風呂?! 」
遙には本当に調子を狂わされてばかりだ。
『 そういうこと~ 』
とだけ言うと遙は部屋から出て行った。