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大きな瞳に映るのは
第13章 はじめて
― 音夢 side ―
初めて男の人の家のお風呂を借りた。
初めて男の人に寝巻を借りた。
やっぱり緊張する。
それになにより服が大きい。
まぁ仕方ないか… と思い寝室の方へ戻る。
「 ハル … お風呂借りまし … って。 」
寝巻に着替えた様でジャージが脱ぎ捨てられ
遙はベッドに飛び込むような形でスヤスヤと寝息をたてていた。
「 ね … ハル、布団。」
せめて布団をかぶせてあげようと遙の身体を揺する。
『 ん … んぅ … 』
子供のような可愛らしい声を出したかと思うと
うっすらと瞼を開けふわふわした目つきで私を見た。
「 ハル、布団かぶらないと風邪引いちゃ …
グイッ
私が気を遣って遙に声を掛けていると
いきなり身体に腕を回し私を抱き寄せた。
「 んっ … わっ 」
ドサッ
驚いて声をあげてしまう。
私の体は遙の横に倒される。
ギシ …
優しく目を細めながら
私の顔のよこに両手をつくと
遙が私の体に覆いかぶさるように見下げる。
その体勢に私の心臓は高鳴る。
体勢だけではない、遙の目つきが妙に色っぽい。
『 … 音夢 』
目を細めて遙が私の名前を呼ぶ。
私の心臓は跳ね上がる。
『 … 一緒に寝よっか 』
ニコリと微笑みそう一言いうと
遙は私の上から移動し布団を手繰り寄せ私の体にかぶせた。
( あれ… )
完全に食われると勘違いしてしまった。
恥ずかしい。ちくしょう。