この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
大きな瞳に映るのは
第15章 金曜日
ふぅ ふぅ、と
遙が熱いスープを冷ましながら口元へ運ぶ。
本当に女の子みたいだ。
「 ハルって猫舌? 」
『 ん、そう。』
ラーメンに夢中なのか短い返答が来る。
「 私も猫舌なんだよねー… 」
そう呟いてから、ふぅふぅと冷ましながら口へ運ぶ。
『 … なに、可愛いアピール? 』
遙が麺を冷ましながら上目遣いでからかう。
本当に女の子みたいなのに言うことだけはデカい。
「 そ、そういうんじゃないし … 」
癖なのか思わず唇をとがらせてぷん、としてしまう。
それを見た遙が吹き出す。
『 ぷふっ… 』
「 もう … なんなのー! 」
照れ臭くなる。本当に調子を崩されてしまう。
『 アピールなんてしなくても、音夢は可愛いよ。』
ズルイ。返す言葉がなくなってしまう。
周りがこんなやりとり見ていたらきっと
あー、高校生カップルかぁ …
若いなぁ …、なんて思うだろう。
ズルッ … ゴクン
『 ふぃ~! ごち! 』
そう言うと私より早く食べ終わってしまった。
『 あれ? 今日遅くね? 』
からかわれすぎて、食べるのを中断したせいだ。
『 いいよ、ゆっくり食ってて 』
そうニコリと微笑むと
ハルはお手洗いに行くため席を立った