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手探りな絶望
第6章 溺愛
ほんとかな…
「ごめんなさい」
「俺も、気付いてやれなくてごめん
ちゃんと聞いてあげればよかった」
「ううん…私が言わなかったから…」
「冬実は悪くないよ?」
ほんとかな…
本当に体調が悪いんだろうか…
冬実は悪くないと
言いながら
俺の心はモヤモヤする
いつものように
電話で
確認してないからじゃないのか?
いつも
答えを出す前に
電話をする冬実を
疑ってしまう俺は…
「ほんとに、いいんだ…」
声のトーンが
落ちていくのを
やめられない
「……」
そんな
俺の気持ちが
冬実に知れてしまったのか
さっきまで
楽しかった
俺と冬実の空気が
凍っていた
「冬実…」
「はい」
「なんもしねーから
もうちょっと
このままでいい?」
できるだけ
触れていたい
できるだけ
そばにいたいんだ
そして
冬実を信じたい
怖いんだよ
見えない
何かに
冬実を連れてかれそうで…。
この部屋を出たら
また…電話すんのかな
あの携帯で
誰かに…
「…うん…」
「ありがと
気持ちいいよ
落ち着く…」
「…うん…」
「冬実も、気持ちいい?」
「…うん」
ごめん
やっぱり
落ち着かねぇ
「誰?」
「…え?」
「電話の相手」