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手探りな絶望
第7章 献身
よく見えないけど
携帯を持つ手の角度から
冬実が話してるのは
あの
赤い携帯だと思った
とゆーことは
相手は
母親。
少しうつむき
手で口元を抑えながら
しゃべる冬実。
ちょっと…マズイよな…
どうしよう…
とりあえず
電話終わるまで
待ってようか
「わかってる
わかってるけどっ!」
えっ…
いつもは
小さな声の冬実なのに
静かな空間に
聞いたことのない
強い口調が響いた
俺は
なんとなく
気まずいものを感じ
さりげなく
方向転換して
ゆっくりと走り出す
するとまた
背後から声が…
「そんなこと
できないよっ!」
その一瞬で
俺の
全神経が耳に集中した
右足と左足は
ただ
勝手に動いてるだけ
目は
前を向いてるのかどうかさえ
わからない
冬実の声を
とにかく
聞き逃さないように
吐く息までも
小さくして
俺は耳をすませた
「わかってるよ
そんなの
わかってるけど…
ひどい人だって
わかって…」
次第に
冬実の声が弱々しくなり
悲しそうな声に変わった
「外だから…
すぐ
かけ直すから…
うん…明日…うん…
あ、待って
うん…けど…
できなかったら
すみません…」
携帯を持つ手の角度から
冬実が話してるのは
あの
赤い携帯だと思った
とゆーことは
相手は
母親。
少しうつむき
手で口元を抑えながら
しゃべる冬実。
ちょっと…マズイよな…
どうしよう…
とりあえず
電話終わるまで
待ってようか
「わかってる
わかってるけどっ!」
えっ…
いつもは
小さな声の冬実なのに
静かな空間に
聞いたことのない
強い口調が響いた
俺は
なんとなく
気まずいものを感じ
さりげなく
方向転換して
ゆっくりと走り出す
するとまた
背後から声が…
「そんなこと
できないよっ!」
その一瞬で
俺の
全神経が耳に集中した
右足と左足は
ただ
勝手に動いてるだけ
目は
前を向いてるのかどうかさえ
わからない
冬実の声を
とにかく
聞き逃さないように
吐く息までも
小さくして
俺は耳をすませた
「わかってるよ
そんなの
わかってるけど…
ひどい人だって
わかって…」
次第に
冬実の声が弱々しくなり
悲しそうな声に変わった
「外だから…
すぐ
かけ直すから…
うん…明日…うん…
あ、待って
うん…けど…
できなかったら
すみません…」