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手探りな絶望
第8章 懇願
ゆっくりと
ベットに腰かけた
冬実の腰に手を回し

少し開いてる
俺と冬実の距離を
なくすと

冬実が
軽くうつむいた


その冬実を
覗きこむようにして
軽くキスをすると


冬実がそのキスに答えて
顔の角度を俺に向けた



「部屋に入れてくれて
  ありがと」



それから
甘い
脳がとろけるような
キスをして

でも
これ以上ダメだよなって
思いながら
また舌をからめて

いや
ほんと
もうやめなきゃって
思いながら

舌先を舐めあって


冬実から
熱い息が漏れた時




微かに


振動音が
耳に入った




ブーーーー・・・
ブーー・・・



冬実の

バックからだった





冬実は
一瞬でキスをやめたけど
携帯に出る様子はない



「電話・・いいの?」



「・・うん」



「話にくいなら
俺、外に出てようか?」




「いいの」




振動音は
一度止まったが

またすぐに
鳴りだしていた




「でも、お母さんじゃ・・

あっ・・ん・・」




どうしたの、冬実





俺は

冬実の唇で
唇をふさがれ


冬実の両腕は
しっかりと
俺の背中にしがみついていた



その


振動音が
鳴りやむまで


ずっと



何度も




ずっと・・。

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