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手探りな絶望
第16章 別離
しばらくすると
冬実は
やっと小さな声で
話しをはじめた
「周平さんを・・」
「・・うん・・」
「もしも・・
もしも周平さんを
私の家族が恨んでたとしても」
「・・うん」
「ひどいことを
してしまって・・
本当に
すみませんでした・・」
冬実は
瞳をぎゅっとつむって
頭を下げた
俺はすぐに
冬実の肩に触れて
そのカラダを起こした
「いいんだ
そのことはもう
本当に・・いいんだ」
やっと
顔をあげた冬実の
瞳を見つめたけど
冬実は
俺から目をそらしたままで
なかなか
俺を見ようとはしない
そして
俺を許すとも
言ってはくれない
そりゃそうだ・・
俺は
何を期待してんだよ
あんなのは
全部嘘だったんだ
俺を好きだと言ったことも
俺に優しくしてくれたことも
全て
こうして
会いにきたことも
迷惑なんだよな?
なんて馬鹿なんだ俺は
今頃
気付いたよ
俺は
冬実の肩から
手を離し
その手で
いつのまにか
流れてしまっていた涙を
ぬぐった