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手探りな絶望
第16章 別離
「迷惑・・だよな
ほんとごめん
謝りたいと
思ってたけど
俺の顔も見たくないなら
帰るよ」
俺を引きとめる
冬実からの言葉は
無かった
「柴田さんに
伝えてくれないか
親父みたいで
頼りにしてたって・・
本当に
すみませんでしたって・・」
それから俺は
言葉を失ってしまった
何も言わない冬実を
目の前にして
これ以上
なんて言えばいいのか
よくわからなかったんだ
そして
しばらく
沈黙が続いたあと
冬実は
静かに俺に背を向けて
助手席のドアを開けた
これで
全部おしまいだと
思った
冬実への溢れる想いも。
千夏の両親へ
謝るというチャンスも。