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兄の狂気
第3章 誘 惑
哲平SIDE
しばらく瞳さんの家の前から動けなかった。
何?あの、目…
お兄さん、だよな?
何であんな敵意剥き出しにされなきゃなんねーの?
血ぃ繋がってねぇならまだしも。
…いやそれでもおかしいか。
穏やかで優しくて頼りになる器の広い男
…を、瞳さんの前では演じてた。
でも、ほんとの俺は正反対。
今、瞳さんと兄貴らしい人を見て、
ただでさえモテる瞳さんが
同じ大学のやつから告白されたって何度聞いても
全然動揺しなかったのに、兄貴って聞いたら
何でか分かんねーけどすっげー…
すっげぇ信じられないくらい動揺してるし
今すぐ俺だけのもんになればいいのにって思う。
もし、瞳さんと付き合えたら。
もし付き合えたら…それはそれは大事にして
与えられるだけのもんを与える。
まじでたぶん…離してやんない。
いやたぶんじゃなくて、
離さない
離せない。
あんな可愛らしい人と付き合えたら
どれだけ幸せなんだろう。
幸せにしてあげたい…
…いや。
絶対俺が幸せにして貰ってしまう。
なんからしくないこと言ってしまうけど
今、瞳さんと関われてるだけでも
やべーくらい嬉しいし幸せなのに、
付き合えるってなったら。
やばくね?悶えるよ?