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兄の狂気
第3章 誘 惑







まだ腕や身体に残る、瞳さんの感触。


小さかったな。


なんかすっげー柔らかくて、可愛かった。


「男友達」でなんて絶対終わらせたくない。


せっかく瞳さん追っかけてサークル入ったもん、


男友達?


そんな生ぬるい関係で終わらせられるかっつーの!


瞳さんと兄貴の関係なんて知らねー、
告白の返事貰ってねーけど、絶対おとすし。


ほんとの俺は穏やかじゃないし優しくないし
頼りにならないし器ちっせーけど、
それでも瞳さんと一緒にいたい。


…まじで頑張ろ、これから。


心の中で意気込んで、家に向かって歩き出した。














「で、返事は?」


「貰ってない」


「あの後連絡したん?」


「した。けど返信ない」


「今日ももさん来てんの?」


ももさんとは瞳さんの事。


「…来てないらしい」


ため息を吐いて机に突っ伏す。






瞳さんに告白して次の日。


いつもよりおしゃれして大学に来て、
瞳さんに会いに真っ先に2年の講義室に行ったけど。


「今日来てないんだよねー、瞳。
LINE返って来てないしさ、
木原くんなんか聞いてないの?」


「…聞いてないです」


あっ木原って俺ね、木原哲平。


ちなみにこの人、瞳さんの友達の花村美音さん。


2人共すっげー美人でモテる。


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