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兄の狂気
第3章 誘 惑







「…瞳さーん」


「…」


「はぁ付き合いてー…」


「…。おい、哲平」


「…あ?」


「お前、自分が今何口走ったか気付いてるか」


なぜか小声で話しかけてくる翔太を
怪訝に思いながら耳を寄せた。


「何つった?聞こえねー」


「お前今瞳さーん、つった」


「…は?言ってねぇよ」


「いや言ったし。付き合いてー、とも言った」


「そんなひとり言言う訳ねーだろ」


「言ってたっつーの…」


はぁ、とため息を吐く翔太を睨んで黒板に向き直る。


…ん?何でこっち睨んでんだあの教授。


…まぁ。


講義を聞くふりしながら、
脳内で瞳さんをベッドに沈めて
いちゃいちゃするって妄想はしてたが…


涙目の瞳さんをベッドに押し倒してー、
甘い声で「哲平くん」って呼ぶ瞳さんの唇塞いでー、
めちゃくちゃ優しく愛撫してー、
なるだけ優しく、怖がらせないように
突っ込んで腰振って啼かせたい。


…あーあー。


…あー、フェラしてほしい。


…うわ、やっべ。


妄想だけで俺の息子、若干反応してんだけど。


…夜、家ではもっとヤバいこと妄想して
抜いてっけどね、もちろん瞳さんで。


昨日とかさ、あの柔らかい身体と柔らかい唇を
思い出しながら息子なだめて、…って。


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