この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
兄の狂気
第4章 交 差
「ありがとうございます。
瞳さん…覚悟しといてくださいよ。
…離せませんので」
にこ、と可愛い笑顔を向けて
お風呂場の扉を閉めた哲平くん。
ぱさ、と持ってた服を落としてしまう。
言われた意味を理解するのにしばらく時間をかけて…
ようやく理解して、最後の
「離せませんので」
がやけに頭の中でリピートされて顔が熱くなった。
ふらふらと後ずさって壁に当たり、
ずるずると座り込む。
膝に顔を埋めて、ぎゅっと目を閉じた。
ねぇ、お兄ちゃん…
ごめんね、あたし、
「お兄ちゃんのもの」
なんて誓えない…
ごめんなさい…あたし、彼が好きです。
哲平くんが…哲平くんの事が好きです。