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兄の狂気
第5章 愛 欲
*.。.:*・゚*.:*・゚
「すっげー綺麗な部屋ですね」
「…そうかな?ありがとう…」
「瞳さんらしいです。すげーおしゃれ」
「へへ。ありがとう」
あたし…今何話してる?
あたしの部屋に来て、部屋の感想を言ってくれる
哲平くんの言葉が、耳には届くけど頭には届かない。
ただ、早く…
「…さん」
早く、したいの。
哲平くんの温もりに触れて、哲平くんを感じたい…
「…みさん?」
やだ…何なの、あたし。
これじゃあまるで…
「…瞳さん!」
「っ!?」
突然肩を掴まれ、ビクッとして哲平くんを見上げる。
「大丈夫ですか?ボーッとして…
…あ、風邪引いちゃいました!?
やっべ、薬とか…、…っ」
焦る哲平くんを、後ろから抱き締めた。
広い背中にぎゅうっと抱き着き、顔を埋める。
わざと小振りな胸を押し付けて、
お腹辺りに回した腕を少し下げる。
…アレに、当たるか当たらないかのところまで。
「哲平くん」
そう呼ぼうとした、瞬間。
腕を掴まれて振り向かせられ、
抱き上げられてベッドにおろされた。
突然のことに瞬きを繰り返すあたしに跨がり
ゆっくりあたしの顔の横に手を付く哲平くん。
「…何するんですか、瞳さん…」
え…?