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兄の狂気
第5章 愛 欲
「…っ」
顔を歪めて目を閉じてる哲平くん。
縋るように腕をぎゅっと掴む。
すると。
「…っ、すみません。今日だけ…
正直もう我慢出来なくて…
もし赤ちゃん出来ちゃったら、
俺が責任持って一緒に育てますから」
…あ、
「つーか、外に出します」
大好き…
こくこくと頷いて、哲平くんの背中に腕を回した。
哲平SIDE
必死で、心の奥からのぼってくる
”嫉妬”という名の感情を抑えた。
…中出し?
前の…彼氏に?
何考えてんの?そいつ…
ぐっと歯を噛み締めて、
心を落ち着かせる為に目を閉じた。
もしかしてその男は、瞳さんの兄…
よからぬ予想が脳裏をよぎる。
すると、瞳さんが俺の腕を掴んだのを感じた。
月明かりに照らされた、
俺に組み敷かれている俺の思い人。
…大事にしたい。
吐き気がする程大事にして、
吐き気がする程甘やかしたい。
髪が少し乱れて、潤んだ瞳で俺を見つめる瞳さん。
ゾクゾクする…
自分の好きな女を抱けるって、
どれだけ凄い事なんだろうな。
しかも、瞳さんも俺を好きだと言ってくれた。
…そうだ。
瞳さんも、俺を好きだと言ってくれた…