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兄の狂気
第8章 感 情
でも関係がバレて、監禁されて身体を貪られて…
あたしから、お兄ちゃんを好きだという
感情はすっかりなくなっていた。
あたしがお兄ちゃんに対して支配する感情は…
恐怖
拒絶
ざっと言うと…この2つ。
抵抗を繰り返し、哲平の名前を呼び続けたあたし。
そんなあたしにお兄ちゃんは、
あたしの視界を塞いで耳元で囁いた。
「俺はお兄ちゃんじゃないよ。俺は哲平だよ」
違う。
違うっ…
そう言い続けたけど、
視界を遮られて言われ続けるにつれて
あたしの精神がおかしくなり始めて。
「瞳…俺だよ、哲平だよ」
「愛してるよ瞳…」
「俺は哲平だよ?信じて、瞳…」
「俺を受け入れてくれるよね?なぁ瞳…」
完全なマインドコントロール…
お兄ちゃんを哲平だと思い込んでしまった。
目隠しされたままあたしは
自分を哲平だと言うお兄ちゃんに抱かれ続け、
律動の途中、目隠しを外され
自分に覆い被さってるのがお兄ちゃんだと知り
大声で泣いてしまった。
「哲平、助けて」
「哲平」
声が枯れても哲平の名前を呼び続けるあたしに
お兄ちゃんから何度も殴られたけど
それでもめげずに助けを請い続けた。
そして…
さんざん抱かれて、抵抗する気力も失って
無心で揺さぶられて…
もう諦めかけた今日。
お兄ちゃんが私服を着て出て行った。